記者の眼記者の眼

第231回 (2024年2月7日)

 「お前も老けたな」。新年会で数年ぶりに顔を合わせた友人らと笑い合った。みなアラフォーとなり、生え際が後退し始めた者もあれば、立ち振る舞いがオヤジくさくなった者もある。筆者は太った。再会の場で互いに老けたという会話はありきたり過ぎて閉口するが、赤提灯のテーブルを囲む面々にアンチエイジングの気配はない。

 

 学生時分を知る者同士、喋れば昔話に花が咲く。しかし、近況について聞けば、各自が家庭や仕事を巡る悩みや迷いを大なり小なり抱えていることもわかった。40歳といえば不惑。孔子曰く迷いが消えた年ごろというが、少なくとも筆者と旧友の間でこうした兆しは窺えない。40歳を超えても延々迷い続けることになりそうだ。

 

 リム情報開発は20242月で創立40周年を迎える。40年の間には化石燃料市場が成長した一方、脱炭素の機運も高まった。リムも不惑を迎え、迷いがないかといえば嘘になる。これまでの化石燃料に加え、読者や取材先の方が喜ぶ次世代エネルギーの情報とは何か。それをどう提供していくのか。迷いながら試行錯誤を続けている。

 

 エネルギー市場は常に変化するため、リムの迷いが消えることは恐らくないし、試行錯誤を止めたら会社は時代に取り残されて老けてしまう。それなら迷い続けるのは悪くないかもしれない。辞書を引くと40歳以上は初老とある。筆者も迷い多き「老後」を前向きに過ごす所存だ。「老けたな」といわれたことに内心ちょっとグサッときつつ。

 

 

(西江)

 

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