記者の眼記者の眼

第174回 (2022年11月30日)

 先日、ようやく自分の新居の仕様が決定し、上棟を迎えることとなった。新築戸建て住宅の建築を機に、住宅とエネルギーの関係を考えてみた。

 

 まず、工務店が用意した住宅建材の基本仕様が、自治体の認定する低炭素住宅に該当するため、80万円の補助金助成対象となった。本来はゼロエミッション住宅(ZEH)が理想で、この場合補助金は100万円となるが、該当するにはさらに厳しい仕様にしなければならず、建物代が青天井に上昇する。資材が高騰するなかで今回は諦めざるを得なかった。

 

 駐車スペースにはEV(電気自動車)充電器も設置可能だったが、これも数十万円の費用が掛かるため、EV価格が割高なうちは購入できないと判断し、導入を見送った。コンロはIHも選べたが、火で温めた方が料理は美味しいと考えているし、災害時のライフラインのエネルギー分散も考慮して都市ガスを選択した。

 

 このほか小庭でガスボンベを使ってBBQをしたい。リビングは吹き抜けにしてファンも付けたり、照明もいくつかは拘ったため電気代は嵩みそうだ。環境活動家のみなさんには怒られるかもしれない。それでも電気を化石燃料由来で発電していればCO2は排出するし、EVもまだ一般消費者にはリーズナブルではないし、街中の充電スペースも十分ではない。それにオール電化住宅は災害時の停電によるリスクも伴う。そう考えると、これくらいが今の一般的な現実的で経済的かつ多少は環境に配慮した住宅ではなかろうか。

 

(横井)

 

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