第306回 (2025年7月23日)
登山雑誌をめくっていたら、山小屋の写真が目にとまった。小屋の居間にあたる談話室を写している。そこは小屋を利用する人の交流の場となっており、ときには偶然出会った登山者同士が意気投合し、次の山行を共にするような後日譚につながることもあるらしい。互いに山好きという共通点がある分、話に花が咲きやすいとある。
共通の関心事があれば、年齢、職業、居住地といったバックグラウンドの違いも話の妨げにはならないという。実際、談話室は登山の習熟度、嗜好性の違いも含めてさまざまな人が集まり、交流を通じ新しい出会いや知見を得ることができる場として機能している。同好の人がリアルで交流できる場は限られているのも人気の理由だ。
リム情報開発は2025年11月、都内で国際会議「リム・エネルギー・アゴラ」を開催する。会議のテーマは「日本のエネルギー市場とつながる2日間」。世界のエネルギー業界関係者の方々にリアルでご参集頂き、エネルギーという共通の関心事のもと、参加者が新しい出会いや知見を得られるような場を提供するのが会議の狙いだ。
「アゴラ」はギリシャ語で「人々が集まる場所」を意味する。古代ギリシャでは広場に人が集まることで活発な議論が交わされ、周辺では施設の整備が進み、商取引などの市場機能も発達した。個人的には「リムのアゴラ」参加者の間で、会議を機に何か新しい出来事につながったという山小屋のような後日譚が聞けたらとても嬉しい。
(西江)