記者の眼記者の眼

第333回 (2026年2月4日)

 対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」が、大学入学共通テストの9科目で満点をとった。AIの進化は目覚ましく、従来のデータ分析から新しいコンテンツの生成など創造的な分野にも活動領域を広げている。それに伴い、ほとんどの知的作業がAIに置き換わるという未来予測が報じられている。

 

 リムの業務にAIを当てはめてみると、現在は直接取材で得ている市況動向・価格、周辺情報を情報提供者がウィンドウに入力。その情報を元にAIが価格アセス、記事を作成し、レポート購読者に提供することになる。その先では購読者がAIによる分析を元に、需要家に価格を提示。需要家もAIの指示をもとに商談を開始、となれば人間抜きで商いが成立することも荒唐無稽とは言い切れなくなる。

 

 2008年の映画「ウォーリー」は西暦2805年の世界が舞台。汚染された地球を捨てた人類は巨大な宇宙船で生活、その生活はAIに管理されている。快適な環境下、働くこと、歩くこと、噛んで食べることを放棄した人間はみな太っており、ほとんど自力歩行ができない。物語が進むにつれ、人間とAIの主従関係が実は逆転していたことがわかる。

 

 人類の進化の歴史で、かつては手作業だったものが、機械に置き換わったものは少なくない。ただ、考えることを放棄してしまっては、もはや生きている価値はない。宇宙船アクシオムの船長がAIとの戦いの中で叫んだ「生き残りたいんじゃない!生きたいんだ!」という台詞を今思い起こしている。

 

(小泉)

 

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