第313回 (2025年9月10日)
待つ、成熟するのを待つ、後5年待つ。新エネルギー車(NEV)の購入を検討してきたが、ひとまず自分の考えが決まった。NEV購入を視野に入れているものの、不安なことがまだ多く、手を出せないできた。NEVの技術は日々進歩しているものの、性能の安定性、インフラ整備など課題が多い。
中国政府は引き続きNEVの普及に力を入れており、優遇政策を継続している。優遇策は2014年9月に始まり、23年に4度目の延長を決めた。25年までに購入した場合、車両購入税やその他の税金が免除される。さらに電気自動車は消費税も免除となる。その後も27年までは車両購入税の半分およびその他税金を免除。電気自動車は消費税が免除となる。
優遇策のほか、NEV製造業者が乱立することで、国内の販売競争が激しくなっている。従来のガソリン車と比べて値ごろ感があり、一般市民や運送業者などにも好まれている。統計によると、24年のNEV販売量は1,287万台で、前年の950万台から35%以上増えた。
しかし、実際にNEVを運転すると、特に長距離の場合はバッテリー残量が気になり、街中の充電所が少ないことに不安を覚える。つい車内での電子機器の使用を抑えてしまう。また、ガソリン車に比べて発車時やブレーキ使用時の衝撃感が大きい点、ランニングコストが高い点なども気になる。第一世代で普及したNEVが寿命を迎える時期を迎え、バッテリーの処分方法が社会問題になりつつある。
NEVが多くの課題を抱えるなか、従来のガソリン車も値引き販売に追われている。このため、高級ガソリン車を入手できるのでは、との妄想を抱いてしまう。従って冒頭に書いたとおり、私はNEVの購入をしばらく待つことにした。
(上海事務所 辺)