記者の眼記者の眼

第330回 (2026年1月14日)

 中国政府は昨年末に開催した諸会議で、ここ数年続く不況対策として、2026年に向けていくつかの景気刺激策を提出した。

 

 まずは国内の消費を刺激し、足元のデフレからの脱却を目指す。従来は海外からオーダーを受けて国内の生産を高めるモデルに依存していたが、内需を増やす景気循環を優先する。国内消費を刺激するため、26年も家電などの買い替えに対する補助金制度を継続する。ただし、対象を冷蔵庫、洗濯機、テレビ、クーラー、パソコン、給湯器などに絞るという。補助金額は製品販売価格の15%(上限は1,500)とする。また、新車購入に対する補助金は、新エネルギー車(NEV)の補助率を12%、既存のガソリン車を10%とする。

 

 問題が深刻化している不動産業界への対策も強化する。新規の不動産建設を抑制し、建設済の物件の販売を優先。さらに新規建設する場合も、高品質な住宅に限定するという。

 

 金融面でも、金融機関の利息を引き下げるといった政策を通し、行き過ぎたインフレを抑制。経済回復を図るとしている。このほか、AI人材の育成にも注力するという。また、中小金融機関の統廃合や、融資の質を高め、金融セクターの改革を進める。

 

 最後にエネルギー関連では、省エネや脱炭素化を推進する。新型エネルギーシステムの建設を加速し、グリーンな電力の普及を拡大するという。全国的に炭素排出権取引市場の建設を進めるとの政策が打ち出されている。

 

 こうした取り組みが功を奏し、中国経済が回復軌道に乗るか注目していきたい。

 

(上海 金)

 

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