記者の眼記者の眼

第339回 (2026年3月18日)

 米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦の開始とホルムズ海峡の事実上封鎖を受け、石油化学のマーケットも大混乱の日々となっている。

 

 日本は、石化製品の大元となる原油も、エチレンなどの原料となるナフサも、その多くを中東からの輸入に依存している。日本以外のアジア諸国も程度の差はあれ同様である。

 

 当然、原油やナフサの価格は急騰し、石化製品の需給も逼迫している。国内外から、「どこどこの会社が原料不足で減産した」といった情報が日々飛び込んできており、石化製品の相場も私がリムに入社してから初めて目にするような荒い値動きが続いている。石油会社、石化メーカーをはじめとした当事者の苦労は察するに余りあるが、情報を追っているだけの立場でも鬱屈した気分になる。

 

 原油がなくなれば製油所を動かせず、製油所でナフサを生産できない。加えて、ナフサの輸入もなくなれば石化製品も生産できなくなる。石化製品は生活必需品を含む数多くの製品の材料に使用されている。食品や日用品などのパッケージに使用されるプラスチック類も石化製品。物があってもパッケージを用意できず出荷できないといった事態も考え得るかもしれない。

 

 これまで想像したこともなかったが、石油資源を輸入に依存していると世界情勢の変化ひとつで経済の基盤が崩れ得るということを意識するきっかけになった。自分に何かできるか分からないが、とにかく早期解決を願わずにいられない。

 

(田鎖)

 

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