第343回 (2026年4月15日)
球春。いかに野球ファンが開幕を待ちわびているかを表す言葉の一つだ。野球を語る上で欠かせないのが、各選手の指標。打率であったり、防御率であったり、選手のあらゆるプレーは数値化される。最近では走攻守投のすべてを包含した「WAR」という指標が生まれ、大谷翔平選手が異次元の数値をたたき出している。
だが、大谷選手のすごさを理解する上で多くの野球ファンにとっては「WAR」よりも本塁打数や奪三振数などの従来からある指標を複数見た方がわかりやすいのではないか。この「WAR」は包括的な指標ではあるものの、評価者による算出方法の違いや守備指標の不透明さなどから、絶対的な数字としてファンに定着しているとは言い難い。数多の指標が開発された昨今でも、選手の価値を指標化することは決して容易ではないのが現状だ。
翻ってリムがアセスメントしているエネルギー価格も多岐にわたる。私が担当するバンカーオイルでも、港や油種によって値段はバラバラ。世界中の価格動向を網羅することがいかに難しいかを、入社以来、日々実感しているところだ。
イラン戦争後、バンカー価格は大きく変動し、供給への懸念も急激に拡大した。海上輸送なくして世界の貿易は成り立たないが、燃料がなくては船は動けない。市場動向を常に理解し、その動きを正確に伝える重要性を改めて実感している。数字を見る力を養う上でも、仕事と野球観戦の「二刀流」にも意味があるはずだ。そうに違いない。
(年縄)

