第359回 (2026年8月12日)
故郷でお盆を迎える人も多いだろう。お盆といえば、ご先祖様をお迎えするためにキュウリとナスの乗り物を用意し、玄関先や墓地に並べる風習が残る地域や家庭もあるはずだ。あらためてそのいわれを調べてみた。
地域によって異なるかもしれないが、迎え盆には馬に見立てたキュウリを、送り盆には牛に見立てたナスを飾るのが一般的だろうか。ご先祖様に「早く帰ってきてほしい」のでキュウリの馬を、「あの世にゆっくり戻ってほしい」のでナスの牛を、それぞれ用意するのだという。帰路に牛を用意するのは、たくさんのお土産を持ち帰ってもらうため、牛のパワーが必要という意味もあるらしい。
この状況を現代の帰省に当てはめてみるとどうだろう。懐かしい家族に会うため、往路は一刻も早く飛行機で。故郷の思い出をかみしめてゆっくり自宅に戻るには高速バスで。いにしえのご先祖様も、令和の時代に生きる私たちも、そうした思いは変わらないのかもしれない。
さて、ここまで空想したところで、ふとした思いがよぎる。飛行機や高速バスの燃料であるジェット燃料や軽油は、いまは随分と高いなと。遠い中東での出来事が、私たちの日常にも影響を及ぼす。交通費の高さに帰郷を思いとどまる人もいるかもしれない。せっかくのお盆の機会にもかかわらず、故郷を遠くに思うだけとすれば、なんとも寂しい気がする。
願わくば、一刻も早く足元の中東危機が収まり、エネルギー価格が落ち着いてくれないものか。そんなことをご先祖様にお祈りするお盆にしたい。
(二川)

