記者の眼記者の眼

第361回 (2026年8月26日)

 私の住まいは千葉県にある。813日に発生した千葉豪雨の際、私は県外にいた。テレビのニュースで繰り返し「広い地域で『レベル5大雨特別警報』が出ており、経験したことのないような大雨となっている」「直ちに身の安全を確保してください」と報じられるのを見て、自宅付近はどうなっているのか、また千葉に住んでいる知人は無事なのかを案じた。

 

 豪雨をもたらす要因として、化石燃料が出す温室効果ガスによる地球温暖化が挙げられる。気温上昇によって大気中の水蒸気量が増加、豪雨災害の激甚化をもたらす。温暖化は豪雨だけではなく、海面上昇や熱波などを引き起こし世界中の人々の生活を脅かしている。

 

 私は普段、石油製品に加え、液体バイオ燃料マーケットも取材している。バイオ燃料の取引価格は石油製品価格を凌駕しており、中でも持続可能な航空燃料であるSAFは既存のジェット燃料価格の23倍という状況が続いている。価格の高さから航空会社はSAFの購入に非常に消極的な姿勢を取っている。この状況を汲み、政府は2030年度のSAF供給義務量をジェット燃料全体のわずか1%と定めた。当初目標としていた10%をはるかに下回る水準。関係者からは「コスト上、仕方のないことだ」との声も多い。

 

 私もそう考える一人だったが、災害を身近に感じ、燃料の脱炭素化は喫緊の課題ということを強く感じた。既存燃料も現在の生活を支えるものであることに変わりはないが、安心した生活を未来につなぐため、今一度、地球温暖化対策について目を向ける必要がある。

  

(和氣)

 

このコーナーに対するご意見、ご質問は、記者の眼まで 電話 03-3552-2411 メール info@rim-intelligence.co.jp