記者の眼記者の眼

第370回 (2026年10月28日)

 我が家ではお米は青森から定期便で購入している。3年前に青森を旅して、田舎館村の田んぼアートを見た。岩木山のふもとに広がる津軽平野はりんごで有名だが、こんなに広々とした水田があるとは知らず、正直驚いた。聞けば、北限の水田遺構である垂柳遺跡が近くで発掘されており、弥生人の足跡も残っているという。古代人も私の目の前に広がる同じ風景を見ながらお米を作っていたのかといろんな想像力を掻き立てられ、この地で生育されたお米を食べたいと思ったのがきっかけだ。

 

 2025年に令和の米騒動が起きて店頭からお米が消え、小売価格がハネ上がったときも、同じ値段で提供してくれた。切られてしまうことがあるのでは、と思って恐々問い合わせたが「定期購入のお客さんには優先して送っています」と言われて、本当に有難かった。価格もだが、提供してくれる先を確保しているというのは、何より心強かった。

 

 今年に入って4月に1割ほど定期購入価格が値上がりしたが、配送料を入れても妥当な値段だと思った。ただ、その後、在庫の積み上がりや豊作を背景に市中の米価が値下がりし、定期便の値段が割高になってきた。ただ、解約するつもりはない。困っている時に送り続けてくれた恩も感じるし、燃料の軽油や肥料も値上がりしている中、電話の先のあの津軽訛りの若い声の主を応援したい気持ちもある。そして何より岩木山の風を受けて育ったお米が食べたい、だから止める理由はないのだ。

   

  

(工藤)

 

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