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  • 第246回 ~LNGの不都合な新説~の巻
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    第154回 電力入札ってなに ~の巻(2020年8月26日)

    かめりん~、今年の夏は暑くない?

    とても暑いわ。一日中クーラーをつけっぱなしにしていないと、生きていられないくらい。来月の電気代が怖いわ。

    クーラーをつけっぱなしにしていたら、電気代は高くなるよ。ところで、電気の取引にも入札があることを知っている?

    え~、電気の取引にも入札があるの?来月の電気代が高くなりそうだから、私も入札を出して安い電気を買ってみようかしら。

    かめりん、残念だけどれど、入札で電気を買うことができるのは、工場や学校、病院といった大口の需要家なんだ。家庭や商店など小口の需要家が対象となる低圧電力区分では、2016年4月から電力小売の全面自由化が始まり、電力会社を選べるようになったけれど、入札で選ぶわけではないよ。

    そうなのね。

    その電力の入札の話だけれど、大口需要家は使用電力量が多いから、電気料金を削減しようとしていて、入札は年々増えているんだ。

    入札はどうやってするの?

    まず、入札に参加を希望する小売電気事業者(新電力会社)は、経済産業省に小売電気事業の登録申請・届け出を出す。
    次に、全国の需給状況や系統の運用状況の監視を行う電力広域的運営推進機関(OCCTO)の会員になること。
    最後に、応札したい官公庁や地方自治体の入札参加資格登録をするんだ。

    ややこしい手続きがいっぱいあるね。

    これらの手続きをクリアして初めて、電力入札に参加するができるんだ。官公庁や自治体によって設ける参加資格はそれぞれ異なるので、それらをクリアしないと参加資格ももらえない。

    新電力会社にとっては、資格資格のハードルが高い自治体の入札に参加するのは難しそうね。

    その通り。
    ところで、電力の入札には主に次の3つの方法があるんだ。
    1、一般競争入札
    一般競争入札において、主に環境配慮契約法の基本方針に基づき「裾切り方式」が多く採用されている。温室効果ガス削減目的から入札参加資格を設定して、その基準値を満たした電力会社から最安値で落札会社を決定する。
    2、指名競争入札
    自治体に資格登録クリアした企業を指名し、その中から札が最安値の電力会社と契約する。
    3、プロポーザル
    自治体はプロポーザル公告を公開し、希望会社を募って参加資格の審査、技術提案書等の提出など、担当の審査委員会が総合的に評価してから供給電力会社を決定する。

    入札にもいろいろあるわね。

    最近、多くの入札に採用されている一般競争入札の「裾切り方式」で、ある問題点が浮かび上がったんだ。

    え~どんな問題?

    「裾切り方式」に参加する多くの新電力会社は、キロワットアワー当たりの二酸化炭素の排出係数が高いため、資格審査時点で基準値を満たせず、参加すらできないことがある。結局、大手電力会社しか参加できず、ますます新電力のシェアが奪われかねないんだ。

    そうか~官公庁や自治体は環境にやさしい業者選びとの観点から資格を設けたのかもしれないけれど、新電力にとってはむしろハードルが高くなってしまったのね。

    新しい制度が定着するまでには、いろいろな問題を解決する必要がありそうだね。

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    (文:方 友明 )
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