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  • 第200回 ~燃料価格の算出方法~の巻
    (06/22 12:00)

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    第200回 ~燃料価格の算出方法 ~の巻(2022年6月22日)

    ガスと電気代の値上げが続いているわね。

    7月の電気代とガス代は1年前より1~3割の値上げになるってニュースで見たよ。燃料費の高騰っていつまで続くのだろうね。

    難しい質問ね。世界情勢が落ち着いたら元に戻ると信じているけれど・・・

    でもなんで価格が高騰しているのだろう?日本の電力会社は長期契約により燃料を調達しているから、燃料のスポット価格の上昇が電気料金に直接及ぼす影響は限定的だって聞いたことがあるよ。

    確かにスポット契約より長期契約の方が価格は安定しているね。液化天然ガス(LNG)を例に挙げると、2021年12月にスポット価格がmmBtu(100万英国熱量単位)あたり50ドルを超えた時、日本のLNGの平均輸入価格は10ドル台前半だったわ。これは、長期契約がスポット契約とは価格のつけ方のメカニズムが違うからよ。

    どう違うの?

    スポット取引はこれからの需給や市場の変動を予想して買い手と売り手がアイデアをすり合わせて価格を決めるから、双方の市場の見方が大きく異なった時に価格が跳ね上がったり急落したりするの。それに対して長期契約は需給に関係なく数年~数十年単位で購入するものだから、そんなに先のことは見通せない。だから長期契約の場合、価格を決めるために基準値を定めていることが多いわ。基準があるから値動きは安定しやすいわね。

    基準値があるならほぼ定額になるんじゃないの?

    定額にしてしまったら、数十年という長い年月の間に物価が変動したり需給動向から逸脱した価格になってしまう可能性があって売り手も買い手もリスクが大きすぎるの。だからある程度長いスパンの需給や情勢など加味して、政府や団体が基準値を定期的に改定しているわ。中東の産油国が設定する原油の公式販売価格「OSP」はその一例になるわね。

    だから長期契約価格も変動するんだね。

    加えてLNGの長期契約は原油価格に連動した価格で決定されることが多いの。LNG取引の歴史は原油に比べて短く、1960年代にアルジェリアと英国が世界で初めて売買を交わしたそうよ。そのうえ当時は圧倒的に原油の方が取引数量が多かったから、原油の後追いでLNGの価格も設定されていたの。こうした背景から今も原油相場がLNGの価格に影響を与えているのよ。

    原油相場がLNGとそんなに結びついていたなんて驚き!

    今はLNG市場も大きくなったから、LNGの価格を原油連動で決めるのはLNG需給を反映できていないという声も大きくなってきているわ。米国はヘンリーハブ市場、英国はNational Balancing Point(NBP)、オランダはTitle Transfer Facility(TTF)など地域ごとに天然ガスの市場が発展したことで、LNGを天然ガスに連動した価格で決めることも増えてきているわね。

    LNG市場も原油市場のように独自性が出始めてきたってことだね。

    そうね。アジアでも独自の需給を反映した価格体系でLNGの長期契約が結ばれる日が来るかもね。

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    (文:朝比奈 )
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