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  • 第246回 ~LNGの不都合な新説~の巻
    (04/17 12:00)

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    第191回 ~ガソリンなど燃料油の補助金って何? ~の巻(2022年2月16日)

    ガソリンの価格が高くて参ったよ。この前、近所のガソリンスタンド(GS)で給油したら、レギュラーガソリン(RG)は1リットル170円を超えていたよ!これじゃ自動車で旅行なんて行けたものじゃないよ。

    1月に全国のRG平均小売価格が13年ぶりに170円を超えたって話題になったわ。ガソリンなど燃料油の原料になる原油価格の高騰が背景にあるのよ。

    ウクライナを巡る欧米とロシアの緊張が高まったことで、原油の供給不安が広がり価格が上がったってね。

    そうなの。ガソリンなどの燃料油価格は原油価格の変動と強い相関関係があるので、原油価格が上がれば、燃料油価格もそれに応じて上がってしまうの。

    経済を支える燃料油の価格が上がったら、景気を冷え込ませるおそれも出てくるね。

    そこで政府は燃料油の価格上昇を抑えるために、石油元売りなどにリットルあたり5円を上限(2月16日時点)に補助金を配って小売価格を上げないようにしているよ。

    どういうこと?

    石油元売りは原油価格が上がると、その分を燃料油の卸価格にコスト転嫁するの。卸価格が上がると、GSなどの小売店もコストを小売価格に転嫁して値上げするじゃない。原油価格の上昇分を補助金で補填すれば、石油元売りは卸価格を上げなくても済むので、小売価格も一定の水準を保つことができるという仕組みよ。

    なるほど。例えば、GSの小売価格が170円のときの原油価格が60円だった場合、その後、原油価格が仮に65円まで上がっても、5円分の補助金を石油元売りに支給すれば、店頭価格を170円のままに抑えられるというわけだね。だけど、そんなにうまく価格を抑制できるものなのかな。

    政府は1月27日から補助金の支給を始めたけど、それでも2月7日時点の全国のRG平均小売価格は前の週から多少上がってしまったの。補助金支給額に対して小売価格抑制効果は70%以下にとどまったわ。

    自由市場経済のなかでは、小売価格も市場の需給によって決まるわけだから、卸価格が下がったからと言って、小売価格がそのまま下がるとは限らないのは当然だね。

    そうね。また、2月16日時点で政府は補助金の支給上限を5円にしているけど、原油価格の上昇が5円を大幅に上回るような異常な状況になった場合の小売価格抑制効果が弱いとの問題も指摘もあるわ。

    GSの小売価格170円のときから原油価格が15円上がっているのに、5円しか補助金が支給されなかったら、小売価格はコスト上は180円まで上がってもおかしくないわけだからね。

    そうなの。補助金は3月末(2月16日時点)まで支給されるわ。補助金には予算総額893億円(同)が付けられているの。効果が実際にどれくらいあったのか、終わったあとできちんと検証することが大切ね。

    いち消費者としては、きちんと恩恵が消費者まで行き届くように願っているよ。

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    (文:須藤 )
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