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  • 第246回 ~LNGの不都合な新説~の巻
    (04/17 12:00)

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    第143回 ~原油価格はどこまで下がる? ~の巻(2020年3月25日)

    かめりん、3月9日の先物取引市場で原油価格が暴落したのは知っている?

    株式相場が乱高下していたのはよく耳にしていたけど、原油のことはあまり知らないわ。

    暴落の原因は、石油輸出国機構(OPEC)の加盟国と非加盟国の協議で、減産合意に至らなかったからなんだ。

    なるほど、減産合意が破局したのね!

    その後、OPECの盟主であるサウジアラビアと非加盟国のロシアが増産方針に切り替えたことで、原油価格が一気に下落したんだ。

    減産合意に至らなかったばかりか、逆に増産するってどういうこと?

    まさに原油市場における争いだね。新型肺炎の感染拡大で世界経済が不況に陥りつつある中、産油国は減産によって他国にシェアを奪われることを恐れているんだ。

    そういうことなのね。

    ちなみに、現在、世界一の産油国はどこだと思う?

    中東の国々は、地面を採掘すればたくさん原油が出てきそうね。だからサウジアラビア、クウェートなどの国じゃないかしら。

    意外かもしれないけれど、米国のエネルギー情報局(EIA)の報告書によると、2017年以降、原油生産量の世界一は米国なんだ。実は米国は今回の減産合意会議に参加してないので、減産の対象国外だ。

    え~~世界一の原油生産国が参加せず、他国に減産しろと言っても納得できないわ。

    資源輸出に頼って外貨を稼ぐ国が、減産によってシェアを奪われて厳しい立場に立たされようとしている。

    これは大変ね。ちなみに、各国の原油生産コストはいくらなの?

    一言では言いきれない。原油生産は主に探鉱、開発、生産の3段階がある。在来型と呼ばれる原油の採掘の場合、コストはサウジアラビアで1バレル約10ドル、ロシアと米国で約20ドルと言われているんだ。近年、生産量が増加している米国のシェールオイルは40~50ドルと言われているよ。

    国や原油の種類によってコストはバラバラね。コストが低いほど優位性があるのね。

    確かにコストが低いほど優位性があるけれど、産油国と消費国の関係や、地政学リスクも含めて考える必要があるよ。産油国が集中する中東地域で紛争が起きると原油価格がグンと上がりかねない。

    地政学って難しいのね。

    安価な原油価格は輸入国にとっては良いことかもしれないけれど、あまりに安すぎるのも問題だね。

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    (文:方 友明 )
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