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  • 第244回 ~韓国の油類税減免措置、いつまで続く?~の巻
    (03/20 12:00)

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    第196回 ~船舶にも脱炭素の波? ~の巻(2022年4月27日)

    電気のみを動力としたEVタンカーが3月に世界で初めて竣工したというので、先日お台場で行われた展示会に行ってきたんだ。

    e5ラボと旭タンカーが共同で開発、建造を進めてきたEVタンカー「あさひ」のことね。電気自動車(EV)100台分のリチウムイオン電池を搭載し、東京湾内の船舶燃料の給油を担うってね。川崎港に給電ステーションがあるのね。

    蓄電池に供給する電気はすべて再生可能エネルギー由来の電気だっていうから、動力の製造段階から航行に至るまで温室効果ガス(GHG)を排出しないゼロエミッション船だっていうんだ。

    内航タンカーのほとんどが重油を燃料に使っているため、GHGの排出が問題視されている。投資家からも敬遠され始めているわね。EVタンカーの登場は問題解決の切り札になりそうね!

    EVタンカーの優れたところはそれだけじゃないんだ。従来型のエンジンがないことから振動や騒音が少ないうえ、メンテナンスが楽になる。また、操船しやすく、航行中の船員の負担を抑えられるんだ。労務環境の改善や業務の効率化によって昨今問題になっている船員不足の解消にもつながると期待されている。

    これからを担う若い船乗りにとって魅力的に映るかもしれないわね。

    一方で、課題も抱えている。継続航行可能な時間は10~12時間程度。充電が切れる前に充電ステーションまで戻り、そこで10~12時間程度の充電時間が必要になる。このため東京湾内など限られたエリアのみの活動しかできない。

    それだと全国の港を航行する貨物船なんかにはちょっと向かなそうね。また、船舶の運航予定は天候の変化や海の状態によって頻繁に変更されるけど、急な給油スケジュールの変更には対応しづらそうね。

    そうなんだよ。全国の給電インフラの拡充や、蓄電能力の強化などまだまだ改良が必要なんだ。当面は従来型の重油エンジンの船舶にも頑張ってもらう必要がある。

    なるほど。自動車でも飛行機でもそうだけど、ゼロエミッション化ってとても重要だけど、そう簡単にはいかないわね。とても勉強になったわ!ありがとう、うさりん!

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    (文:須藤 )
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