第286回 ~系統用蓄電池が再エネ普及の鍵? ~の巻(2025年11月17日)
この前うさりんに勧められて自宅に太陽光パネルと家庭用蓄電池を設置したよ(272回参照)。昼間に太陽光で発電して溜めた電気を夜間に使えて電気代がだいぶ安くなったわ!
それはよかったね、かめりん。ところで、蓄電池には家庭用と系統用の大きく2つがあるって知っているかい?
知らないわ、詳しく教えてちょうだいよ。
系統用蓄電池というのは、発電所から需要家に届ける電力系統に直接接続する大規模な蓄電システムのことだよ。
そうすると、何ができるのかしら。
かめりんが自宅でやっているような、電気が余っているときに蓄電して、足りないときに放電するようなことをもっと大規模にやるイメージだよ。そうすることで常時一致が求められる電力需給を調整できるんだ。
なるほど、そうすれば、昼間に太陽光で需要以上に発電してしまっても無駄にしないで済むということね。
そういうこと。太陽光や風力発電は再生可能エネルギーとして利用拡大が求められているけど、必要なときに必要なだけ発電できるわけではないんだ。不安定な電源であることが導入の妨げになっている面がある。だけど、蓄電池とセットにすれば安定電源として活用できるから、普及につながると言われているわ。
それはいいわね!でも、大規模蓄電システムをそんなに簡単に導入することができるのかしら。
設置場所の課題は色々あるみたいだよ。洪水や土砂崩れなどの災害が起きやすいところは適さないし、1基40トンほどもあると言われる蓄電池をたくさん置くには地盤がしっかりしていないと難しい。
うーん、それだけでも適した場所を探すのは結構大変そうね。
それだけじゃない。直流/交流を切り替えるパワーコンディショナを冷やすファンがものによってすごくうるさくて民家の近くに置くと騒音問題になる可能性もあると言われている。
そうなると、ますます厳しそうね。
北海道や九州などの系統蓄電池需要が旺盛なところだと、事業者による系統接続の申込みが殺到して、系統接続に制約が課されたり、事務処理が追いつかなかったりしているところもあるみたい。
そうかぁ…系統用蓄電池が有用なのはみんなわかっているけど、なかなか導入を拡大するのは簡単じゃなさそうね。大変勉強になったわ、ありがとう、うさりん!
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(文:須藤 )
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