第287回 ~太陽熱発電、夜でも発電できる?! ~の巻(2025年12月1日)
10月に、中国で二塔式太陽熱発電所が稼働を開始したというニュースを見たよ。興味深い発電方法だね。
私もそのニュースを見たわ。内陸部の甘粛省のゴビ砂漠にあるのね。太陽光を受ける反射鏡が砂漠に円形に並べられていて壮観ね。しかも反射鏡から太陽光を集めて熱エネルギーに変換する塔が2基あるなんて斬新よね。
報道によれば、発電所は約2万7,000枚のヘリオスタット(追尾式反射鏡)があって、2本の受熱塔に太陽光を集中させている。 塔の高さはそれぞれ約200メートルあるよ。
そんなに高いのね。その鏡が2つの塔に向けて太陽光を反射するから、単塔方式と比べて24%も発熱の効率が上がったらしいわ。
東側と西側の塔が時間帯によって効率よく太陽光を受け取るようになっているんだ。しかも、このシステムでは溶融塩(ようゆうえん)と呼ばれる物質を使った蓄熱技術が導入されて、昼間に集めた熱を蓄えることができるそうだ。
つまり夜でも発電できるということ?
その通り。普通の太陽光発電は昼間しか発電できないけど、この太陽熱発電所は日中に太陽熱を溶融塩に蓄え、夜間でも地上のタービンを回して100 MW(メガワット)の出力があるよ。
かなりの出力だね。夜間でも多くの家庭に電気を供給できるのね。
年間の発電量は約18億キロワット時(kWh)超と言われている。それに試算によると年間約153万トンのCO₂を削減できるんだ。
砂漠の強い日射を活かしCO₂も排出しないのだから【夢の発電所】ね。
この発電所は太陽熱にとどまらず、風力や通常の太陽光発電と組み合わせて、安定した再エネの供給を目指しているんだ。再エネの一大拠点になりそうだね。
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(文:方 )
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甘粛省の二塔式太陽熱発電所の稼働によって年間約何万トンCO₂を削減できると言われている?
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