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第13回 ~パナマ運河がエネルギーの流れを変える?の巻~(2013年3月8日)

お兄ちゃん、お帰りなさい。パナマへの旅行はどうだった?

最高だったよ!

豊かな自然!陽気な人々!美味しい料理!流石は中南米だったね~。

何が一番印象に残った?

もちろんパナマ運河さ!あのわずか30メートル強しかない川幅ギリギリに、何十メートルもある大きな船がゆっくり通って行くのには興奮したなぁ~。

すごいわね~。でもまだ工事中なのよね?

え?よく知ってるね。拡張工事してるんだって。

そうよ、今、パナマ運河で行っている拡張工事が完成すると、エネルギーの物流が変わるって言われていて、注目されてるの。

そうなんだ。

アメリカやカナダでシェールガスの開発が進んでるでしょ。例えばアメリカは、今まで輸入国だったのが、2012年には純輸出国になるまで生産が増えたのよ。

そうだね、ガスは日本や韓国の会社がアメリカから買い付けるって聞いたことがあるよ。

うん。西海岸にも輸出基地はあるのだけれど、シェールガスのほとんどはアメリカの南部にあるメキシコ湾に集められて、そこの基地から運ばれるの。

へぇ、その船はどこへ?

たいていは大西洋を渡ってヨーロッパか、南アメリカに輸送されるわ。

アジアにも来るんでしょ?

そうよ、アジアの場合はぐるっと南米大陸やアフリカ大陸を回って来るしか選択肢がないの。

え~?それってかなり長旅だな~

ええ、そうやって遠回りしてアジアに来るルートは45日、1ヶ月半はゆうにかかるわ。

うわぁ、それは大変だなぁ。

でもね、その航程を大幅に短縮してくれるのがパナマ運河の存在なのよ。もちろん、「運河」だから一番浅いところは水深12メートル強しかないの。パナマ運河を通れる船は「パナマックスサイズ」って規格があるくらい。だから、これまではタンカーのような大きな船が通るには狭くて、浅すぎたのが問題だったのね。

それで拡張工事か。

そう!99年に拡張工事をするって決めて、2015年半ばまでには終了すると言われているの。その拡張工事で旅客船はほぼすべての種類、タンカーもLPガスの船はその運河を通れるようになるのよ!(オイルタンカーはまだ難しいみたいだけど・・・)

すごいね!となるとアメリカ→アジアの船旅も大幅に短縮されそうだね。

ええ。これはLPガスタンカーの場合だけど、今まで45日かかったものが21日まで短くなるという話だわ。

ガスの場合だと、現在の主な産出地域である中東からの船旅は14日くらい。その日数の差もかなり縮まるね!

そうよ、パナマ運河を通ればアジアも近くなるし、シェールガスからできる安価な米国産ガスは、中東産のガスに十分対抗できる競争力を持つと言えるわね。

シェールガス革命の一端を担う重要な要素なんだね。パナマ運河って。

はい、講座はおしまい、で、お兄ちゃん、お土産は?

これだよ。かっこいいでしょ~パナマハットだぜ。

お兄ちゃん、パナマハットってほとんどはエクアドル産なのよ。

ありゃりゃ・・

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メール rimzo@rim-intelligence.co.jp
(文:LPGチーム 高橋)
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パナマ運河の拡張によって、米国ガルフ地域から日本へのタンカー航行日数はどの程度短縮される?

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